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- 栄養士は年収1,000万円を目指せる?年収が低い理由&年収アップの方法を解説
栄養士や管理栄養士として働いている方の中には、「今よりも年収をアップさせたい」「実際の年収相場はどれくらいなのか」という疑問を持っている方もいることでしょう。
栄養士は国家資格が必要な専門職ですが、他の仕事と比べて大幅に年収を上げるイメージがなかなか持てないのではないでしょうか。
本記事では、栄養士の年収の実態から年収アップの現実的な方法まで、詳しく解説します。
栄養士として収入を増やしたい方や年収相場を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
結論として、栄養士が年収1,000万円を超えることは非常に難しいのが現実です。統計上によると、栄養士が年収のピークを迎える50代前半でも、平均年収は500万円にも満たない状況だからです。
しかし、年収1,000万円を目指せる可能性がゼロというわけではありません。一般的に、年収1,000万円を目指すならフリーランスとして活動の幅を広げることが重要です。
フリーランスとして独立し、イベントやセミナーでの講師活動をおこなえば、講演料として収入を得られます。専門知識を活かして記事や書籍の執筆、撮影協力なども手がければ、年収アップにつながるでしょう。
また、プロスポーツ選手の担当栄養士になることも選択肢のひとつです。難易度は低くありませんが、1,000万円以上を狙える可能性があります。
また、海外の管理栄養士資格の取得もひとつの選択肢です。必ずしも年収1,000万円を稼げるとは断言できませんが、キャリアの幅を広げられるというメリットは大きいでしょう。
栄養士として働く上で、まずは現実的な年収を把握することが大切です。
統計データをもとに、栄養士の年収の実態を詳しく見ていきましょう。
厚生労働省の調査によると、栄養士の平均年収は390.2万円となっています。
この統計では、管理栄養士と栄養士が区別されていないと考えられますが、一般的に管理栄養士の方が年収は高い傾向にあります。
管理栄養士は国家試験に合格しなければならない国家資格である一方、栄養士は養成施設を卒業と同時に取得できるため、資格の難易度によって年収が異なると考えられます。
管理栄養士の初任給は、約19〜21万円が相場です。大学卒の平均初任給と比較するとやや少ないものの、初任給にあまり大きな差はありません。
初任給以降は、経験や勤続年数を重ねることで月収が上がっていくといえるでしょう。
続いて、栄養士の平均年収を年代別に分けて解説します。
年代 | 平均年収 |
20~24歳 | 303.25万円 |
25~29歳 | 343.46万円 |
30~34歳 | 376.76万円 |
35~39歳 | 400.95万円 |
40~44歳 | 404.71万円 |
45~49歳 | 439.72万円 |
50~54歳 | 459.14万円 |
55~59歳 | 547.96万円 |
60~64歳 | 391.65万円 |
65~69歳 | 347.31万円 |
70歳 | 314.45万円 |
栄養士の年齢別平均年収の推移を見ると、30代後半で400万円台になります。年齢を重ねるごとに徐々に上昇し、ピークは50代後半で547.96万円となっています。
一方、60代以降になると年収は徐々に下がっていきます。その主な要因としては、年齢を重ねると体力的にきつくなってしまい、現場に出られる頻度が減ることが想定されます。
正社員の平均年収が460万円であるのに対し、栄養士の平均年収は390.2万円とやや低水準です。
ここでは、栄養士の平均年収が低い具体的な理由について解説します。
病院で働く栄養士は、他の医療従事者と比べて給料が安い傾向があります。栄養士は「名称独占資格」なので、資格を持っていなければ「栄養士」と名乗ることはできません。ただし、栄養指導や献立の考案、食材の発注などは栄養士以外の方でもおこなえます。
一方、医師や看護師、薬剤師は、資格がないと業務そのものができない「業務独占資格」に該当します。
資格がなければ業務自体をおこなえない「業務独占資格」と比較すると、誰でもできる業務をおこなう栄養士の給料は安くなりがちなのが現状です。
栄養士は利益を生み出す仕事ではないので、雇い主も給料を上げにくいと考えるのが多いのが現状です。
一般的に、病院などの給食施設で働く栄養士の主な売上は給食費に限定されます。病院では給食費の上限が決められており、その他の施設でも給食費は固定されている傾向があります。それに加えて、食事の数も一人の栄養士の努力だけでは簡単に増やすことができません。
ただし、企業の利益に貢献できる栄養士であれば、給料や待遇の交渉がしやすくなる可能性があります。そのため、自分の仕事が企業の利益にどのように貢献しているかを考えることが重要です。
栄養士が活躍できる場は、多岐にわたります。主に働く場所としては、医療施設、老人福祉施設、介護保険施設、児童福祉施設、小・中学校、行政機関、企業、管理栄養士・栄養士養成施設、試験研究機関などです。
また、食品会社でも活躍できる機会があります。食品会社の場合は、いわゆる開発職として活躍できます。ただし、栄養士が必須条件であることは珍しく、あれば有利な資格に留まっているケースが多いのが実情です。
ヘルシーな食事がコンセプトの飲食店・ホテル・スポーツクラブなどでも活躍しやすい環境があります。また、エステサロンやダイエット食品の企画・販売などを手掛ける企業でも活躍できる可能性があります。
また、公認スポーツ栄養士の資格を取得すれば、スポーツチームに直接契約したり県スポーツ協会で働いたりするチャンスも狙えるでしょう。
栄養士と管理栄養士は似ているようで、実は大きな違いがあります。
それぞれの特徴を理解することで、キャリアプランを立てやすくなるでしょう。
栄養士と管理栄養士の主な違いの1つ目は、必要な資格の種類です。
具体的には、このような違いがあります。
職業名 | 国家資格の発行元 | 資格取得の条件 |
栄養士 | 都道府県知事 | 厚生労働大臣が指定した栄養士の養成施設で2年以上学ぶ →養成施設の卒業と同時に都道府県知事から免許をもらえる |
管理栄養士 | 厚生労働大臣 | 管理栄養士国家試験に合格し、厚生労働大臣から免許を受け取る |
まず管理栄養士は、厚生労働大臣の免許を受けた国家資格なので、試験に合格しなければ資格をもらえません。それだけの知識や技能を兼ね備えた栄養学のスペシャリストであるということです。
一方、栄養士は都道府県知事の免許を受けた資格です。厚生労働大臣指定の栄養士養成施設を卒業すれば、資格が与えられます。
管理栄養士資格は、栄養士の資格取得者であることが前提であり、さらに国家試験に合格する必要があります。なお、受験するには「4年制の管理栄養士養成施設を卒業している」もしくは「栄養士養成施設での年数と卒業後の実務経験の年数が合計して5年以上経過している」といういずれかの条件を満たすことが条件となります。
栄養士が栄養指導をおこなうのは、主に健康面に大きな問題がない人です。栄養学に基づいた献立の作成や調理方法の改善により、健康の維持や疾病の予防を目指します。
なお、管理栄養士が栄養指導するのは主に病気の人や食事が取りづらくなっている高齢者です。より高度な専門知識が必要なので、大規模給食施設で管理業務や労務管理なども手がけます。
現実的に栄養士として年収を上げるには、どのような方法があるのでしょうか。
ここでは、栄養士・管理栄養士の方におすすめしたい年収アップの方法を紹介します。
資格はスキルや知識を証明する手段であり、資格があれば手当が支給される場合もあります。
栄養士・管理栄養士が取得できる資格は複数ありますが、例として次のような資格がおすすめです。
【特定分野別 認定制度】
【専門分野別 認定制度】
栄養士、管理栄養士いずれの場合も、キャリアに合った専門資格で専門性を高めるのが良いでしょう。
公務員の栄養士になれば、安定的な雇用が期待できます。公務員の仕事も同様に、食や栄養の知識を使って人々の健康を支援することです。
なお、栄養士の公務員になるには、都道府県や市区町村の公務員試験に合格する必要があります。給料は民間企業の額を大きく上回ることはありませんが、安定性を得られる点は大きなメリットと言えるでしょう。
今よりも給料の高い職場に転職するのもひとつの手です。
主な転職先としては、大手の食品メーカーや給食センター、病院などが挙げられます。企業の規模によっても給料は大きく異なるので、転職サイトやホームページの募集要項をしっかりとチェックしましょう。
ただし、年収にこだわりすぎると、ミスマッチにつながるケースもあるので注意が必要です。
栄養士が年収1,000万円を目指すことは、統計的に見ると非常に難しいのが現実です。栄養士の平均年収は390.2万円で、年収のピークでも547.96万円となっています。
年収が低い理由として、栄養士が「名称独占資格」であることや、利益を生み出すのが難しい職種であることが挙げられます。しかし、専門資格の取得や給料の高い職場への転職などで、年収を上げられる可能性は決してゼロではありません。フリーランスになって講師活動や執筆活動などをおこなえば、さらなる収入アップも期待できるでしょう。
また、年収だけでなくやりがいや働きやすさも含めて総合的に判断することが大切です。自分に合ったキャリアプランを立てて、着実にスキルを積み重ねていきましょう。